私は 日本の どこにでもある
豚舎に住む ブタのお母さん
住むと言っても 自分の体と ほぼ同じサイズ
タテ、ヨコ、高さの檻の中で
短い一生を 終えるのだけど
数歩 あるくのは おろか
立ったり座ったりも ままならない
窮屈と言うか 産まれてから 一度も
そこから 出してもらえたこともないから
それが 他の生き物に比べて 極端に
窮屈かも 知らなかった
近くの お花畑から 来た 蜂のお母さんが
教えてくれたの
この前も 痛い思いをして 赤ちゃんを
妊娠して 出産するまで
我が子に会えるのを楽しみに
耐えていたらば あっという間に
人間が かわいい子たちを
連れて行ってしまったの
本当に悲しかった
また 1人きりに なって
毎日 暑かったり 冬は 本当に寒くて
辛い辛い日々を 何をするでもなく
運命の その日が 来るまで
牢獄生活は 続くんだわ
まるで 気が遠くなりそう
頭が変になりそうよ
でも まだ私は マシ みたい
あの蜂さんが 言ってたの
隣り町の 豚小屋は もっと 酷いらしいって
そこは ブタさんの 排泄物が コンクリート
の床の上に ずっと そのままにされて
そこで ブタさんは ご飯も
食べてたんだけど
何匹かの ブタさんが うっかり
足を滑らせて 転んでしまって
その 堆積物の中で 息が出来ず
亡くなったらしいよって・・・
可哀想に お水も 汚泥が混ざった物を
飲んでたって・・
でも 私 それは ちょっと 羨ましいな
て思ったのよ
私は ほとんど水も飲ませてもらえない
暑い真夏だろうとも いつも喉が渇いて・・
言葉は悪いけど
虫ケラ同然 とか言う 例えがあるけど
私から見たら 虫のほうが まだ いい
自由に飛び回って 自分の思うように
食べたり 飲めたり するんでしょう
まるで 夢のよう
あ いつもの 冷たい 人間がやって来た
あれ? 今日は いつもと違う ヒモかしら
縄みたいな 何か持ってるわ
ひょっとして・・
あー 助けてー 誰かーー!!
ー ー ー ー
我が国では
消費者である人間達の利益を 1番に
優先して 考えられ
生産者は 少しでも 安くて美味しい
お肉を 供給する為 勿論 生き物として
感情のある 彼女たちを
モノ として
いえ モノ以下に 扱っています
日本人は 一生懸命に
例えば マナーなど
他国民と比較し 自分たちの良さを
自画自賛していますが
世界の中で 劣悪とされる 飼育法を
今でも 当たり前に 続行する
野蛮国でも あるのです
先程のような目に 動物達をあわせ
何くわぬ顔で 大量に殺戮し 彼ら彼女らの
肉体を 骨の髄まで むさぼります
私達は 今この瞬間も
耐え難い苦痛に置かれた おびただしい数の
彼らの現状に目を向け どこか 一端からでも
改善する方向へ 舵を取らなければ
なりません
家畜動物は どんな扱いを受けても
良いのですか?
「食べ物をありがたく頂く」とは それら
命の犠牲を強いる 動物達の数を
減らすよう努力し
どうしても 殺生しなければならない場合は
彼らを 最期まで大切に扱い
それらの 沢山の命に 皆が感謝すべきこと
ではないでしょうか
今 この時も
動物たちの
わずかな願いも届かぬ
悲痛な悲鳴が
聴こえてくるようです